【第127回】「円安・ドル高」相場基調と輸出型産業の収益・株価押上げ―「自動車」関連銘柄の対米輸出概況/2026年第一四半期 好決算―
※本稿内容は筆者の個人的見解であり、筆者所属組織(現在および過去)の公式見解を示すものではありません。
(執筆中)
2026年(令和8年)は午年(丙午)。相場の格言において「午尻下がり」がある。これは午年の後半、特に年末にかけて相場が下落しやすいとの意である。しかし本年前半の株式相場は2024年(令和6年)からの「辰巳天井」を優に突破し、人工知能(AI)・半導体銘柄が牽引する形で「株高・円安」基調を保ち急騰を続けている。日経平均株価は6月に7万円の大台に届いたのち、7月に入って世界的に AI・半導体関連株の持ち高を減らす動きが広がって調整局面となり、8月初め現在もやや下落傾向にある。
去る6月30日の東京外国為替市場では円相場が1ドル=162円台まで下落し、1986年(昭和61年)12月以来およそ39年半ぶりの円安・ドル高水準となった。当時は前年に先進5か国(米国・日本・西ドイツ・英国・フランス)が協調してドル高是正に動いた「プラザ合意」(Plaza Accord)を受け、円高・ドル安の流れが強まっていた。現在はこれと逆方向の値動きとなる中で同じ水準をつけている。
円相場、一時162円台に下落 39年半ぶり水準 - 日本経済新聞
こうした急速な円安進行に対し、4月下旬から5月下旬にかけて数度、政府(財務省)・日銀による計約11兆7000億円規模の為替介入(円買い・ドル売り)が実施されるも、効果は極めて一時的かつ限定的である。7月30日と31日には日米当局が協調で1998年(平成10年)以来約28年ぶりとなる計11兆~12兆円規模の為替介入を実施した。以下は為替レート(ドル・円)の2020年以降の各月推移(17時時点/月中平均)である。日本銀行「時系列統計データ」日本銀行時系列統計データ検索サイト を基に筆者作成。

「円安・ドル高」は、エネルギーや食料、原材料などの輸入価格上昇に伴う物価高騰(Inflation)をもたらす反面、輸出型産業における企業収益並びに株価の押上げ要因となる。内訳分野の上位に「自動車」(対米国が中心)や「半導体(製造装置・電子部品)」(対中国・台湾が中心)がある。これらは日経平均株価上昇にも大きな影響をもたらす。以下に「自動車」関連銘柄の2026年第一四半期決算、および前回(5月)見通しからの上方修正(上振れ)状況をみる。トヨタ自動車株式会社では、円安が対ドルで1円進むと年間で約500億円、対ユーロでは約100億円、営業利益が押し上げられるという。
トヨタ自動車株式会社(8月4日発表) 決算報告 | 投資家情報 | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
本田技研工業株式会社(8月5日発表) 決算関連資料 | IR資料室 | 投資家情報 | Honda公式サイト
日産自動車株式会社(8月3日発表) 日産自動車、2026年度第1四半期決算を発表
マツダ株式会社(8月4日発表) 決算資料・プレゼンテーション資料 | IR資料 | IR情報 | マツダ株式会社 企業サイト

以下は日経平均株価を構成する225銘柄の一覧(2026年4月1日定期入替)。 日経平均株価 構成銘柄一覧 - 日本経済新聞 を基に筆者作成。

以下はダウ平均株価を構成する30銘柄の一覧(2026年6月29日入替)。 NYダウ特集 / 大和アセットマネジメント株式会社 および INDU Quote - NYダウ 工業株30種 - Bloomberg を基に筆者作成。

以下は日経平均とダウ平均の2020年以降の各月株価推移(終値ベース)である。日経平均プロフィル「ヒストリカルデータ」 ヒストリカルデータ - 日経平均プロフィル および「Investing.com」 NYダウ平均株価 過去のレート - Investing.com を基に筆者作成。(値は各月の最高値)





