【第116回】金(Gold)資産価値と近年の価格推移―古代エジプト王朝と黄金装飾/「田中貴金属」(GINZA TANAKA)心斎橋店と「純度(24分率)」(1/2)―
⇧(左)エジプト古代遺跡を訪れた当社海外渉外顧問 Wolf、(右)大阪市中央区の「田中貴金属(GINZA TANAKA)心斎橋店」
※本稿内容は筆者の個人的見解であり、筆者所属組織(現在および過去)の公式見解を示すものではありません。
①近年の金価格推移
金(Gold)はそのもの自体に価値がある「実物資産」として、市場における現物取引または先物取引を通じて金価格が形成される。金地金(きんじがね)がまとまって売買取引がなされ、その取引価格が他の取引への指標として影響していく。代表的なものとして、ロンドン、チューリッヒ、香港、ニューヨークが四大金市場と称される。日本では地金大手の「田中貴金属工業株式会社」 田中貴金属 資産用公式サイト の店頭小売価格が指標の一つとして定着している。金は希少性のある「安全資産」として、国際情勢が不安定になると価格が上昇する傾向にある。安全資産とは経済環境の変化、すなわち物価上昇(Inflation)により貨幣価値が目減りした際や、金融危機などで相場が大きく悪化した場合でも、価値が普遍性を保つ金融資産を指す。また、多くの各国中央銀行が大量の金を「外貨準備」資産の一部として保有している。外貨準備とは、通貨当局が「為替介入」に使用する資金であるほか、通貨危機等により他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合等に使用する準備資産。日本では財務省(外国為替資金特別会計)と日本銀行が外貨準備を保有している。
【参考】(後日追記)
日本経済新聞 2026年6月3日
世界の外貨準備、金が米国債を30年ぶり逆転 大国の「米国離れ」着々 - 日本経済新聞
日本経済新聞 2026年6月7日
中国の金保有増、19カ月連続で最長 安全資産として積み増し加速 - 日本経済新聞
金価格は新型コロナウイルス感染拡大が本格化した2020年春頃より上昇し、その後、ロシア・ウクライナ紛争などで右肩上がりの値動きとなっている。2024年には中東情勢や台湾有事などへの懸念から地政学的リスクが一段と高まったこと、また米国の利下げ観測による影響によって再び上昇基調となり、史上最高値を更新する状況が続いている。2022年頃からの急速な円安基調の為替レートも伴い、2025年9月には初めて1グラム当たり2万円(店頭小売価格)を超えた。

⇧2000年以降の金価格推移(「田中貴金属」年次金価格推移情報より筆者作成) 田中貴金属工業株式会社|年次金価格推移

⇧2026年の金価格推移(「田中貴金属」日次金価格推移情報より筆者作成) 田中貴金属工業株式会社|日次金価格推移

⇧2000年以降の Platinum 価格推移(「田中貴金属」年次 Platinum 価格推移情報より筆者作成) 田中貴金属工業株式会社年次|プラチナ価格推移
②古代エジプト王朝と黄金装飾
紀元前3000年以前の昔より富み栄えた古代エジプト王朝。古代エジプト人は早い時期に金属の採掘、精製、加工の技術を開発していたといわれる。太陽神ラー(Ra)を崇めていた Pharaoh(王)たちは、太陽のように光り輝く金製品を装飾品として身に付け自身の富と権力を誇示した。Tutankhamun などの Pharaoh たちは自らの不変不滅を祈って黄金の仮面を付けて黄金の棺に入り、黄金の装身具(副葬品)に囲まれて永遠の旅に出た。これは、当時のエジプトで死後の世界が信じられていただけでなく、金のもつ耐腐食性や永遠に輝き続ける不滅の物質であることが認識されていた証しでもある。
Tutankhamun は、古代エジプト第18王朝・第12代目の Pharaoh(在位:紀元前1332年-1323年)で「少年王」として知られる。その黄金の仮面(The Golden Burial Mask of Tutankhamun)は1925年、英国の考古学者 Howard Carter により、古代エジプトの葬祭地である「王家の谷」の墳墓(KV62)で発見され、Cairo の「エジプト考古学博物館」(The Egyptian Museum in Cairo) Egyptian Museum Cairo – EMC を経て現在は、「大エジプト博物館」(Grand Egyptian Museum) Grand Egyptian Museum - Home Page に収蔵されている。墓の中からは金製品を含む約2000点もの埋葬品が発見された。黄金の仮面は厚さ2.5cm~3cmのほぼ純金の延べ板が数枚つなぎ合わされ、長さ54cm、幅39.3cm、奥行き49cmの大きさで、重量は10.23kg(321.5 troy ounce)である。また石英(Quartz)や Lapis Lazuli などで美しく彩色されている。Lapis はラテン語で「石」、Lazuli はペルシア語で「青」の意であり、古代より藍青(らんせい)色を呈して飾り石として用いられた。数種の鉱物の混合物で「黄鉄鉱」が混じっており、磨くと濃い青地に金色の斑点が輝くため「青金石」(せいきんせき)ともいう。東洋では「瑠璃」(るり)として知られる。

⇧Cairo 郊外 Giza のエジプト古代遺跡を訪れた当社海外渉外顧問 Wolf、右下は「エジプト考古学博物館」(The Egyptian Museum in Cairo)

⇧Lapis Lazuli をあしらったパワーストーン、Golden Rutilated Quartz とともに

⇧「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」(於・大阪市阿倍野区「あべのハルカス美術館」) 「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」






