【第141回】南蛮貿易都市「堺」(Sakai)《其ノ三》明治節に赴く和菓子工房「江久庵」(こうきゅうあん)と「黄金の哲学」/千利休「朝雲庵」
※本稿内容は筆者の個人的見解であり、筆者所属組織(現在および過去)の公式見解を示すものではありません。

(執筆中)
11月3日は「明治節」(めいじせつ)。筆者は地元、大阪堺を代表する高級カステラ・和菓子工房の「江久庵」(こうきゅうあん) 江久庵とは – 江久庵(こうきゅうあん) を訪ねた。向学のため、当社海外渉外顧問の Wolf を同行した。
明治節は1月1日の「四方拝」(しほうはい)、2月11日の「紀元節」(きげんせつ)、天皇の誕生日の「天長節」(てんちょうせつ)とともに「四大節」(しだいせつ)の一つ。明治天皇の誕生日を記念し、その遺徳を偲び御代を追慕する目的で制定された祝日である。以下に引用する1927年(昭和2年)3月3日付『官報』(号外)詔書 官報 1927年03月03日 - 国立国会図書館デジタルコレクション により発布された。副署は時の内閣総理大臣、若槻禮次郎公。
朕カ皇祖考明治天皇盛徳大業夙ニ曠古ノ隆運ヲ啓カセタマヘリ 茲ニ十一月三日ヲ明治節ト定メ臣民ト共ニ永ク天皇ノ遺徳ヲ仰キ明治ノ昭代ヲ追憶スル所アラムトス
御名御璽
昭和二年三月三日 内閣総理大臣 若槻禮次郎
江久庵は、かつて「摂津」「和泉」「河内」の三国が交わる地であったことを示す北三国ヶ丘に所在する。南には、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」(百舌鳥三陵)の一つ「反正(はんぜい)天皇陵」の森が広がる古代からの歴史の地。東には、三国の堺(境)にあって、どこの国にも属さず「方位のない清地」とされた「方違神社」。店内の雰囲気にしっくりと馴染みながらも存在感のある工房では、唯一無二の最高峰カステラを熟練の菓子匠が、独自の製法「窯出し本熟」で心を籠めて焼き上げる製造工程が楽しめる。和洋の双方に磨かれた感性で日本の実りを映す江久庵のお菓子。洋菓子・南蛮菓子ではカステラの他にも、バウムクーヘン、ベイクトチーズケーキなど、和菓子では手作り最中、どら焼き、朝雲(ちょううん)など、素材にこだわった和洋菓子が一つ一つ心を籠めて作られている。




「黄金の哲学」は、無添加、無着色、純良な素材と厳選されたコクのある色の濃い鶏卵を使用することで黄金色と風味を造り出した金箔カステラ。2026年 Monde Selection 金賞受賞、国際最高品質賞受賞。

広い店内奥の「お茶処利休」では、カステラをアレンジしたデザートや各種ぜんざい、また本格釜飯などの食事もゆったりと楽しめ、曜日により立礼(りゅうれい)席でのお点前(てまえ)と抹茶も味わうことができる。





店内には、初代神武天皇から上皇陛下までの「日本国歴代天皇御影」が掲示されている。昭和天皇が和菓子の朝雲を殊の外喜ばれたと伝えられる。



店舗南側の庭園からは、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の一つ、反正天皇陵の壮大な森が間近に窺える。

千利休「大坂屋敷・茶室/朝雲庵(ちょううんあん)」(復元)







