【第99回】日本神話の神々《其ノ四》紀元節(Empire Day)(紀元二千六百八十六年)―小糠雨(こぬかあめ)の橿原神宮と神武天皇陵(畝傍山東北陵)―
※本稿内容は筆者の個人的見解であり、筆者所属組織(現在および過去)の公式見解を示すものではありません。
(執筆中)
「紀元節(Empire Day)」(建国記念日)の2月11日、あいにくの小雨と厳しい寒波の中、奈良県橿原市「橿原神宮」の「紀元祭」に参列し、その足で「神武天皇陵/畝傍山東北陵」を参拝した。向学のため当社海外渉外顧問の Wolf を帯同した。
橿原神宮 橿原神宮 – 橿原神宮の公式ホームページです。橿原神宮は、奈良県橿原市にあり、御祭神として日本の初代天皇・神武天皇(じんむてんのう)と媛蹈鞴五十鈴媛皇后(ひめたたらいすずひめこうごう)をお祀りしております。ホームページでは、当宮の御由緒、歴史、祭事・行事、境内のみどころなどをご紹介しております。 は日本建国の聖地とされ、初代「神武天皇」と皇后「媛蹈韛五十鈴媛皇后」(ひめたたらいすずひめこうごう)が御祭神として祀られている。また「大和三山」の一つ、霊峰「畝傍山」(うねびやま)(標高:約199m)東南の麓(ふもと)に位置し、大東亜戦争前のまま護持された約53万㎡(約16万坪)の宮域には、約7万6,000余本の樹木が生い茂っている。
「紀元祭」(きげんさい)紀元祭 – 橿原神宮は、橿原神宮の御祭神である神武天皇が大和橿原宮で第一代天皇に即位されたことに由来し、例祭として毎年2月11日、天皇陛下の御名代である「勅使」(Imperial Envoy)(※1)参向のもとに斎行されてきた最重儀。同祭典は「勅祭」にあたり、勅使により天皇陛下からの「御幣物」(ごへいもつ)が御神前に供えられ、御祭文が奏上される。また全国から「御奉賛」(ごほうさん)が寄せられる。本年(紀元二千六百八十六年)は、約3,500名におよぶ参列者で盛大に執り行われた。 「紀元祭」斎行の御報告 – 橿原神宮
また「神武天皇陵/畝傍山東北陵」 -天皇陵-神武天皇 畝傍山東北陵(じんむてんのう うねびやまのうしとらのすみのみささぎ) は周囲約100m、高さ5.5mの八稜円形(はちりょうえんけい)であり、幅16mの周濠が巡らされている。また「大和三山」の一つ、霊峰「畝傍山」(うねびやま)(標高:約199m)から文字通り東北の麓(ふもと)に位置している。
「日本書紀」および「古事記」の伝承によると、「神日本磐余彦天皇」(かむやまといわれびこのすめらみこと)(※2)は、日向(ひむか/現在の宮崎)の「高千穂の宮」から瀬戸内海を東に進んで難波(現在の大阪)に上陸、生駒の豪族「長髄彦」(ながすねひこ)に阻まれ南下して熊野へ回った。そこに飛来した「八咫烏」(やたがらす)(※3)<日本書紀では「金鵄」(きんし)(※4)>に導かれて吉野の険しい山を越えて大和に入る。周辺の勢力を従え最後に宿敵・賊軍の長髄彦を倒して大和を平定(神武東征)。「紀元前660年2月11日」(皇紀元年/辛酉年1月1日)に畝傍山の東南、「橿原宮」(かしはらのみや)(皇居)にて、第一代天皇「諡(おくりな)・神武天皇」に即位されたとある。
天皇家は世界最古・最長の万世一系(ばんせいいっけい)による王家・王朝(Dynasty)で、令和の今上陛下(諱・徳仁/なるひと)で第126代となる。「日本書紀」および「古事記」の伝承によると、2,600年以上の歴史を有し、実在が確かな天皇から数えても世界最古・最長といえる。6世紀前半に実在し血筋の連続性が確かとされる、第26代「継体(けいたい)天皇」から数えても100代、1,500年以上を経る。
明治に入り、「橿原宮址」(かしはらのみやあと)に神宮の創建をとの請願が民間有志から起こる。これに深く感銘を受けられた明治天皇は、「京都御所」内の「天照大御神」が祀られていた「内侍所/賢所」(ないしどころ/かしこどころ)を御本殿として、また「新嘗祭」(にいなめさい)が執り行われていた「神嘉殿」〈しんかでん〉を拝殿として下賜(かし)された。こうして1890年(明治23年)4月2日、官幣大社(かんぺいたいしゃ)・橿原神宮が御鎮座、創建となった。1940年(昭和15年)2月11日の紀元節には、「紀元二千六百年奉祝紀元節記念大祭」が挙行され約70万人が参拝。同年6月11日には昭和天皇が御親拝されている。
(※1)勅使:勅旨を伝えるために天皇陛下が発遣(差遣)する使者
(※2)神日本磐余彦天皇:日本書紀における諱(いみな)、彦火火出見(ひこほほでみ)とも、古事記では神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)
(※3)八咫烏:古事記における神武天皇東征の際、熊野から大和へ入る山中を導くため「高皇産霊尊」(たかみむすひのみこと/天照大御神と並び皇祖神とされる)から遣わされたとする、3本足の大きな烏(からす)(Three-legged Raven)
(※4)金鵄:日本書紀における神武天皇東征の際、熊野から大和へ入る山中を導くため「天照大御神」から遣わされたとする、金色に光り輝く鳶(とび)(Golden Kite)

⇧広大な「外拝殿」(げはいでん)前庭と背後に佇む霧に包まれた畝傍山の景観

⇧「紀元祭」参列者席の様子と Wolf・筆者

⇧「幣殿」(へいでん)へ参向する古色蒼然(こしょくそうぜん)たる勅使の一行と「辛櫃」(からひつ)に納められた御幣物

⇧神楽舞(かぐらまい)「明治天皇御製・扇舞(おうぎまい)」の奉奏

⇧「令和八年 丙午」、外拝殿の大絵馬(高さ4.5m、幅5.4m)

⇧第一鳥居、第二鳥居と約300mを有する表参道の様子

⇧「神武天皇陵/畝傍山東北陵」拝所での Wolf と筆者
【参考】日本神話の系図(「日本書紀」「古事記」表記を基に筆者作成、薄青:男神/薄赤:女神) 家系図をエクセルで作る方法を動画で解説!無料テンプレート付き! | 家系図作成の家樹-Kaju-

※参考文献
外池昇『神武天皇の歴史学』、講談社、2024年
神社本庁 神社本庁公式サイト







