【第135回】Several Fables_Ⅰ「イカロスの翼」(2/2)/新興技術(Emerging Technologies)依存の果て―AI|Humanoid Robot|Drone―
※本稿内容は筆者の個人的見解であり、筆者所属組織(現在および過去)の公式見解を示すものではありません。
①現実化しつつある AI の暴走・悪用(Bill Gates 氏の警鐘)
(執筆中)
2026年の夏以降、複数社の米国企業開発による AI モデルの引き起こした暴走事例が散見され出した。こうした中、Technology 業界内では Anthropic(CEO:Dario Amodei) Home \ Anthropic や OpenAI(CEO:Samuel Harris Altman) OpenAI | 研究と実用化 など、開発企業同士が独自の安全基準を設ける自主規制の動きが出始めている。一方、Microsoft の共同創業者 Bill Gates 氏は、2026年9月25日公開の米国 NBC テレビのインタビューで、AI は「10億人の死者を出すような事態を引き起こすのに十分な力を持っている」と強い危機感を表明し、AI 開発の減速に向けた法規制を訴えた。同氏は「AI は人類がこれまで接してきた中で最も危険なものだ」とし、「悪意を持つ人間と最新の AI 技術が結びつくことで、人類史上においてかつてないほど強力な兵器が生み出されるリスクがある」と指摘。そして業界内の自主規制だけでは不十分であり、どのような安全対策や監督体制が必要か、政治家や法執行機関が積極的に議論に加わるべきだとした。具体的には、大規模被害(サイバー攻撃、生物兵器攻撃、銀行口座システムの強制停止など)が現実化する前に、安全装置(Safeguard/Kill Switch)の構築・導入や監視体制(Monitoring System)の運用など、強力な統制措置を法的義務として定めるべきと主張する。
②現実化しつつある AI の暴走・悪用(個人情報漏洩)
2026年10月10日付の日本経済新聞社記事によれば、9月以降の1か月余り(特に10月初旬)の極めて短期間に世界各国(企業・政府機関・教育機関)で不正アクセスが急増、少なくとも延べ3億人超の個人情報漏洩が確認されている。このうち日本では延べ5700万人分の流出が明らかで、世界で判明した10万人以上の個人情報漏洩事例35件のうち日本の事例が20件と、日本を標的とした攻撃が目立つ。こうした事例件数の急増や新たな攻撃手法(自動化・効率化でコストを下げ同時多発的に展開される無差別・大量攻撃)の背景には AI の悪用の可能性が指摘され、最新の高性能 AI は犯罪者らにとっても使用が容易になってきている。AI は世界中のウェブサイト情報を学習しており、ウェブ上での調査を得意とするためウェブシステムを攻撃しやすい。とりわけ、顧客の大切な資産を預かり運用する銀行・証券・保険などの「金融機関」、また電力・情報通信・公共交通・医療施設などの「インフラ分野」においては、顧客情報の漏洩はその件数の多寡によらず、当該顧客とその日常生活への危機に直結する。
連日続いているこうした異様な同時多発的攻撃が、人間の手を離れた AI による「自律的」(Autonomous)なものであるかは今のところ断言できないとされる。核(原子力)をはじめとする20世紀以降の科学技術開発、特にこの数十年間「攻撃」と「防御」で堂々巡り(いたちごっこ)の IT(Information Technology)分野(新興技術)。筆者はこうした Technology の「脅威」の真理は、発生後の「対策」を繰り返す以前に、過去にこれらを生み出してしまった人間の本性に帰着すると思慮する。『ターミネーター』において、敵味方の登場人物が未来と過去を行き来して事態の解決を企てるように。
※参考文献
栗原聡(編著)『』、KADOKAWA、2026年
ニュートンプレス『』、ニュートンプレス、2026年
品川哲彦『』、中央公論新社、2020年






