【第90回】男爵・若槻首相(Baron, Prime Minister, Wakatsuki)《其ノ五》―出雲国・松江紀行《2/4》(国宝 松江城|松江藩主菩提寺 月照寺)―
※本稿内容は筆者の個人的見解であり、筆者所属組織(現在および過去)の公式見解を示すものではありません。
(【第89回】から続く)
①国宝 松江城
松江城 国宝 松江城ホームページ は全国に12城しか残っていない「現存天守」の1つ。現存天守は江戸時代またはそれ以前に建てられ、壊れることなく現代に姿を残す特別な存在である。その中でも1611年(慶長16年)完成の松江城天守は、彦根城、姫路城と並び近世城郭最盛期を代表する天守として国宝に指定(2015年|平成27年)されている。関ヶ原の合戦の功績により出雲・隠岐24万石領主となった堀尾忠氏公の父、堀尾吉晴公と孫の2代藩主忠晴公による築造。4層5階(地下1階附)の天守は木造本瓦葺の複合式望楼型で、壁の大部分は黒塗りの下見板張りで覆われ、桃山風の壮重雄大な手法が窺える。

⇧松江開府の祖・堀尾吉晴公像、題字の揮毫(きごう)は松江市の書道家・金津大潮(かなつ・たいちょう)氏




⇧天守最上階から南方向の眼下に望む宍道湖


②松江神社と興雲閣


興雲閣 島根県指定有形文化財 興雲閣





③月照寺(松江藩主菩提寺)
月照寺 月照寺|松江藩主菩提寺 は松江藩主松平家の菩提寺で、約1万㎡の広さをもつ境内には本堂や宝物殿に続き、初代直政(なおまさ)公から九代斎貴(なりたけ)公までの廟所が厳かに並ぶ。山号は「歓喜山」(かんぎさん)月照寺(浄土宗)。もともと当地には洞雲寺(とううんじ)という禅寺があったが、1638年(寛永15年)信州松本から移封されてきた直政公が、生母の「月照院」の霊牌を安置すべく1664年(寛文4年)大々的に改修、月照寺と改めた。1996年(平成8年)「松江藩主松平家墓所」として国の史跡に指定された。梅雨時にかけては、境内各所に3万本もの紫陽花が咲き誇る。



⇧初代・直政公の廟所、廟門は島根県指定文化財で軒唐破風には虎と竹の精巧な彫刻





⇧直政公生母の「月照院」廟所

⇧境内に残る寿蔵碑を背負う「大亀像」は長寿祈願の象徴、また大亀像は夜な夜な動き出して人々に災いをもたらす恐ろしい存在であったが、亀自らが大きな石碑を背負い二度と動けぬ様自らを封じたとの伝承(小泉八雲『知られざる日本の面影』に登場する「化け亀」より)


※参考文献
若槻禮次郎(自伝)『古風庵回顧録』、読売新聞社、1950年







